昔住んでいた家の庭には、私の背丈くらいの梅の木があった。
もとは小さな盆栽で、
父が大切に育てていくうちに大きくなり、庭に移し替えたのだとか。
いつもこのくらいの時期には薄桃色の可愛らしい花を咲かせ、
庭をいい香りで満たした。
たまにウグイスもとまっていたし、
花が散った後には立派な実をつけた。


  引っ越す時にその梅の木も移したかったのだけど、
地面に根が張りすぎていて、無理だと言われてしまったらしく、
引っ越して以来その梅の木は見ていない。
今年もその梅は咲いているのだろうか。


  そんなことを思い出したのは、
今朝、窓を開けたら道の向かい側に数本並んだ梅の木が
満開になっているのが見えたからだ。