異文化交流

  最近、すっかりお酒に弱くなった。
疲れているのかもしれないし、
あるいは、本当に体質的に弱くなったのかもしれない。


  今日は8時から六本木に行った。
会社の先輩が、自分で自分の誕生日会を開いたのだ。
彼女が取引をしている六本木のバールで会は開かれた。
彼女の大学時代の友人や、イタリア留学時の友人など様々な人が招かれていた。
会社の人間は私を含めてもう1人呼ばれていた。
もう1人の人は彼女とも日頃からプライベートで付き合いがあるようだが、
私は会社の人とプライベートでの関わりはほとんどなかったので、
今日の誕生日会に招かれたことが少し意外だった。


  先輩と言っても彼女は私と同い年だ。
去年の4月に私と同じように新卒で入社した。
もう1人彼女と同時期に入社していた新卒社員がいて、
今日の誕生日会に招かれていたのは、その人だ。
彼女ら2人は同期ということで仲が良く、
またイタリア留学経験があるという点でも意気投合したようで、
仕事帰りにお客さんのお店にディナーにもよく行くようだ。


  私には同期もいないし、彼女らと深い交流があるわけでもない。
私ももっとイタリアが大好きでイタリア語が話せたりしたら、
彼女らとももっと打ち解けられるのかもしれない。
しかしながら私はイタリア留学経験もなければイタリア語を話すこともできず、
未だになぜあの会社は私を採用したのだろうというくらい、
イタリアへの情熱もない。
会社でのデスクは私の両脇に彼女らが座っているのだが、
なぜか彼女らは日本人なのにたまにイタリア語で会話しているし、
夏休みともなるとまるでイタリアに帰るともいわんばかりに、
当たり前のようにイタリアに行く。
なんというか、
私は、彼女達と話すだけですでに異文化交流をしているようなものだ。


  そういう違和感の中で、私は、自分を見つめ直している。
きっと、違う環境の中では見えてこなかった自分が見えてくるはずだ。
それを、何か上手く書き表せていけたらいい。