弟の部屋から花火


  昨日、弟の部屋から花火を見た。
私の家は高台にあって、東京都方面が見渡せる。
晴れれば私の部屋からは六本木の森ビルや東京タワーを見渡すことができ、
弟の部屋からは都内で開催される花火大会の花火を一通り見ることができる。


  確か去年も一昨年も、弟の部屋から一人で花火を見た。


  会社に入って毎日色々なことが単調になって、
いつも同じワイン、同じ食品を売るようになって、季節を感じなくなった。
毎日炎天下の中 東京の至る所を歩きまわって、
自分の汗の量や、気温の高さでもちろん夏は感じる。
だけど、
去年までのように、
夏になったからと言って盛んにアイスコーヒーをいれたり、
夏らしい食べ物を近隣の人からもらうことがなくなって、
夏らしいことは何一つしていない。
季節に、鈍感になった。
くるりの「東京」という歌の中に「季節に敏感でいたい」という歌詞があるけれど、
今初めて、その歌詞が自分の物になったように思う。