お料理教室


  世の中の女性を敵にまわすわけではないが、
料理教室ほど不毛なものはないと私は思っている。
料理教室に通うためのお金、時間、それらを、
もっと他の有意義なことにまわせると私は信じている。
料理教室で得られる知識や情報は、今やレシピ本で得ることができる。
やっと大学を卒業したのに、
なぜまたお金を払って一斉教育を受けなくてはいけないのか。


  普段はそんなことを思っているのだが、
このたび、
会社の企画で有名シェフによるイタリア料理のデモンストレーションを受けた。
今日は豆のスープと、ボンゴレ・ロッソ。
これから一年間、月に一回このようなイベントがあるらしい。
狙いは、
レストランに営業に行くのだから営業マン自身も料理ができるようになることと、
自社製品を使って実際に料理をして商品特徴を学ぶことだ。


  会社の営業マンたちほぼ全員が集まり、部長や取締役、社長も顔を出して
50人近くが会社の中のキッチンでレシピを教わる。
楽しい会社に入ったかもしれないと思った。


  今日は、トマトの試食会も行った。
他社のトマト缶と、自社のトマト缶合わせて8種類を食べ較べた。


  きっとこうしていくうちに、私は自分の生活を豊かにする知識や情報を得て、
会社の中の様々なことに愉しみや満足を覚えていくようになるのだろうと思った。
離職率業界ナンバーワンと言われる過酷な会社に入ってしまったが、
でも、間違った選択ではなかったのかもしれない。